2009年3月30日月曜日

荒木又右衛門の36人斬りはウソ

日本3大仇討ちに数えられる荒木又右衛門の『伊賀上野の決闘』。
鍵屋の辻で36人斬りをするシーンは、この物語のなかでもクライマックスで迫力があ
る。

しかし現実には、36人もの人間をつぎつぎと斬り倒すことは、いくら剣の達人といえ
ども不可能だという。日本刀で人を斬ると、刃に血のりや脂がつき、しだいに切れ味が
悪くなるし、刃こぼれもする。

じっさい、昭和20年8月の太平洋戦争の終戦時、右翼団体の大東塾の塾員が集団自決
したときも、連続で13人の介錯しか出来なかった記録がある。介錯人は14人目とし
て、ボロボロに刃こぼれした刀で自分のノドを突いて果てている。

昔の合戦でも、何人も切り倒すのに、威力を発揮したのは槍やなぎなたで、刀はとどめ
を刺すために使っていたという。とうてい、36人も斬りつづけることに、刀自体が耐
えられないはずだ。

ちなみに、忠実として、荒木又右衛門が斬った人数は、わずかに2人という記録がある

それが、36人斬りとなったのは、おそらく講談師のでまかせだろう。客が喜ぶからと
、人数を次第に増やしていったのが原因だと思われる。

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